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更新日:2025年6月20日

瀬戸内町「奄美大島要塞跡および大島防備隊跡 附 大島需品支庫跡」国史跡指定(追加)の答申について

~瀬戸内町の国指定史跡『奄美大島要塞跡』に3遺跡が追加され、名称を『奄美大島要塞跡および大島防備隊跡 附(つけたり) 大島需品支庫跡』に変更し、追加指定の答申を受けました~

国の文化審議会は、令和7年5月16日(金曜日)に開催された同審議会文化財分科会の審議・議決を経て、本町に所在する「奄美大島要塞跡」に3遺跡を追加し、史跡名を「奄美大島要塞跡および大島防備隊跡 附 大島需品支庫跡」に変更し、国の史跡に追加指定するよう、文部科学大臣に答申しました。
この答申を受け、官報に告示されますと、「奄美大島要塞跡」は、「奄美大島要塞跡および大島防備隊跡 附 大島需品支庫跡」として正式に国指定史跡(追加)となる予定です。

今回、国指定史跡として追加指定の答申を受けたのは、大島需品支庫跡(久慈)、大島防備隊本部跡(瀬相)、第18震洋隊基地跡(呑之浦)の3遺跡です。

  • 大島需品支庫跡(おおしまじゅひんしこあと)
  • 大島防備隊本部跡(おおしまぼうびたいほんぶあと)
  • 第18震洋隊基地跡(だいじゅうはちしんようたいきちあと)

大島需品支庫跡(水溜)

大島需品支庫跡(水溜)所在地:久慈

大島防備隊本部跡(戦斗指揮壕跡)

大島防備隊本部跡(戦斗指揮壕跡)所在地:瀬相

第18震洋隊基地跡(第5格納壕跡)

第18震洋隊基地跡(第5格納壕跡)所在地:呑之浦

遺跡の概要とその評価

今回、追加指定の答申を受けた3遺跡は、いずれも旧日本海軍の施設跡です。

大島海峡内に構築された最古の軍事施設は旧海軍の施設であり、明治23年に建設されました。当初、海軍は海峡内を艦隊の停泊地として利用するため、補給施設を建設します。一方、陸軍は大正期に入り、海軍根拠地防衛のため要塞建設を推し進めます。その後、世界情勢に即した国防施策により、昭和16年に初めて海軍部隊の配備が決定すると、加計呂麻島の瀬相に海軍の本部施設が建設されます。空襲が激化する昭和19年10月以降になると、敵艦隊の泊地利用を阻止する目的で、大島海峡内に陸・海軍の海上特別攻撃部隊が配備されます。そして、昭和20年8月、日本は終戦を迎えます。

このように、「奄美大島要塞跡および大島防備隊跡 附 大島需品支庫跡」は、大島海峡付近に陸軍の要塞遺構(施設跡)および海軍の軍事施設跡が集中的に残存し、日清戦争開戦前から日露戦争、第1次世界大戦、ワシントン海軍軍縮会議、太平洋戦争の開始から終戦に至る、近代日本の国防施策と密接に関係する遺跡群であることから、日本の近代史を理解する上で重要な遺跡であるとの評価を受けました。

各遺跡の詳細はこちらから

既指定および追加指定遺跡を記した瀬戸内町全域図

既指定および追加指定遺跡を記した瀬戸内町全域図

大島海峡

大島海峡

町長のコメント

この度、本町に所在いたします遺跡、大島需品支庫跡、大島防備隊本部跡、第18震洋隊基地跡が国史跡「奄美大島要塞跡」に追加され、新たに「奄美大島要塞跡および大島防備隊跡 附 大島需品支庫跡」として、国の答申を受ける運びとなりました。
今回の答申により、奄美大島要塞跡および大島防備隊跡 附 大島需品支庫跡は国として守るべき文化財である、との評価を受けたことになります。この貴重な遺跡を未来へ残すべき「瀬戸内町の宝」として認識し、地域活性化や観光資源として保存・活用していきたいと考えております。また、町民の皆さまにも遺跡を訪れていただき、身近にあるシマの歴史を知っていただきたいと思います。
今回の国史跡追加指定の答申をきっかけに、多くの方が瀬戸内町へ来訪され、大島海峡に残る旧陸軍・海軍の施設をぜひ巡っていただければ幸いです。

2025(令和7)年6月20日
瀬戸内町長 鎌田 愛人

教育長のコメント

瀬戸内町教育委員会では、瀬戸内町に残る近代遺跡(軍事遺跡)を郷土の歴史を知る上で特に重要な遺跡と位置づけ、2014(平成26)年度より遺跡の調査を行ってまいりました。
2023年に国指定史跡となった「奄美大島要塞跡」は、こうした活動や調査成果が認められた結果だと認識しております。そして、今回、継続調査を実施しておりました3遺跡が追加され、本町の6遺跡が国指定史跡となったことを大変嬉しく思っております。
今後は、本町に残された近代遺跡や他の文化財を、郷土教育や歴史教育、そして平和を考える場として保存・活用してまいりたいと考えております。
結びに、これまでの史跡指定に向けた取り組みにご尽力とご協力を賜りました、文化庁、鹿児島県教育委員会、瀬戸内町近代遺跡調査検討委員会、地域の方々をはじめ、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

2025(令和7)年6月20日
瀬戸内町教育委員会教育長 盛島 正行

国指定史跡について

国指定史跡は、「我が国の歴史の正しい理解のために欠くことができず、かつ、その遺跡の規模、遺構、出土遺物等において、学術上価値のあるもの」であり、文部科学大臣によって指定されます。
国指定史跡となった遺跡は、今後、将来にわたり守るべき国の文化財、地域の文化財として、文化財保護法に基づき保存していく必要があります。現状の変更等(所有者の変更、掘削、伐採など)を行うためには、国の許可が必要となり、所定の手続きを行う必要があります。

関連リンク(外部サイトへリンク)

  • 瀬戸内町公式YouTube・第20回KKBふるさとCM・動画大賞2022出品作品

お問い合わせ

瀬戸内町社会教育課

鹿児島県大島郡瀬戸内町古仁屋船津23番地

電話番号:0997-72-2905

■調査・研究に関するお問合わせ先
瀬戸内町社会教育課埋蔵文化財センター
電話番号:0997-76-3004
E-mail:maizou@town.setouchi.lg.jp

■見学・観光に関するお問合わせ先
せとうち海の駅観光案内所
電話番号:0997-72-1199

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