○瀬戸内町土砂流出防止対策要綱

平成26年12月1日

告示第18号

(目的)

第1条 この要綱は,町内の沿岸海域においてみられる土砂流出による海域汚染問題が深刻化していることに鑑み,公共工事及び民間による開発行為(土地の区画及び形質を変更する行為をいう。以下同じ。)等に際しての有効な土砂流出防止対策を確立することによって,沿岸海域の良好な環境の保全に資するとともに,産業の調和ある発展を期することを目的とする。

(町の責務)

第2条 町は,沿岸海域の良好な環境の保全の必要性について,住民の理解を深めるため広報活動を通じて,住民の意識の啓発及び高揚に努めるものとする。

2 町は,土砂流出の防止に関し総合的かつ長期的な視点から必要な施策を実施するとともに,公共工事及び民間による開発行為等に関し,土砂流出の防止を図るために必要な指導を行うものとする。

3 町は,公共工事及び民間による開発行為等が行われている個所を随時巡視し,土砂流出の発生の防止に努めるものとする。

(施工業者等の責務)

第3条 施工業者等(公共工事の請負人並びに民間による開発行為の事業主及び工事を行う者をいう。以下同じ。)は,その工事の実施にあたっては,土砂流出の発生を防止するために適宜必要な措置を講じるとともに,町が実施する土砂流出防止対策に協力するものとする。

(住民の責務)

第4条 住民は,海の環境保全が住民の健康で安全かつ快適な生活を営むうえで不可欠の条件であることを十分認識し,自らの手で沿岸海域の良好な環境の保全に努めるものとする。

2 住民は,林地,農地若しくは宅地の管理又は農地の耕作にあたっては土砂流出の発生を防止するために適宜必要な措置を講じるとともに,町が策定する土砂流出防止対策の方針に従うように努めるものとする。

(公共工事に係る対策の方針)

第5条 町における公共工事の実施に当たっては,工事の計画,設計,施工及び管理の各段階において,次の各号に掲げる事業の区分に応じた土砂流出防止対策を実施するものとする。

(1) 森林土木事業

 計画段階

(ア) 林道等の路線選定にあたっては,切土伐開等を極力少なくするよう路線を選定する。

(イ) 切取による発生土量の多い地帯をやむをえず選定する場合は,橋梁片桟道,トンネル工法を検討する。

(ウ) 切土,盛土の法面安定を図るよう工種を選定し,必要に応じて土捨場等の土砂流出防止施設の設置を計画する。

 設計段階

(ア) 切土,盛土が連続する区間においては,特に土量の均衡を保つため,その土質に応じて余剰土量を極力抑制する方向で施工基面高を決定する。

(イ) 残土については,現場等に離合のための待避所等を増設する。

(ウ) 残土の現場外処置等をする場合は,土留えん堤等を設置し,その法面は締固め,植生等で保護する。

 施工段階

(ア) 盛土,捨土の作業中は,雨水等による土砂流出を起こさないよう常に排水処理を行う。

(2) 農業基盤整備事業

 計画段階

(ア) 地形や流域の現地調査を綿密に行い,系統的な排水計画をたてる。

(イ) 土砂溜,沈砂池の設置及び柵工等を行い,直接河川や海域への放流を避けるよう計画する。

(ウ) 沈砂池の維持管理を考慮した道路計画をたてる。

(エ) ほ場勾配は,土壌流亡を考慮して決定する。

(オ) 農道等の計画にあたっては,切土量や盛土量を極力少なくするよう路線を選定する。

 設計段階

(ア) ほ場設備の地区界や道路,水路に面した法面は,植生,柵工等で保護する。

(イ) 沈砂池は容易に維持管理ができる構造とする。

(ウ) ほ場の法面を保護し,表土の流亡を防ぐため畦畔を設置する。

(エ) ほ場に小規模の土砂溜を設置する。

(オ) 農道等で切土,盛土の法長が長くなる場合は,擁壁,植生,小段,小段排水工等により法面保護を行う。

 施工段階

(ア) 工事中の土砂流出を防止するため,地区内の凹地等を利用した仮の土砂溜を設置する。

(イ) 工事期間中は気象状況に十分注意し,降雨時を避けて施工する。

(ウ) 土取場,土捨場からの土砂流出を防止するため,排水処理等の現場管理を徹底する。

 管理段階

(ア) 土砂溜や沈砂池等の滞砂を定期的に排除する等,管理主体による維持管理の徹底を図る。

(イ) 雨期前や雨期期間中は沈砂池等の点検を行い,記録を残す。

(3) 土木事業

 計画段階

(ア) 切土,盛土については,法面の安定を確保するよう計画する。

(イ) 残土については,捨土後流出しないよう計画する。

(ウ) 海岸線の工事にあたっては,汚濁防止を計画する。

 設計段階

(ア) 盛土法面は,盛土高5メートル毎に小段を設け,2段目毎に小段排水溝を設置して流末処理を行い,植生等で保護する。

(イ) 残土は現地調査のうえ適地を選定して処理することとし,法面は植生で保護するとともに,必要に応じて擁壁等を設置する。

(ウ) 海岸線の床掘工事の場合は,汚濁防止フェンスを設置する。

 施工段階

(ア) 盛土,捨土の作業中は,雨水等による土砂流出を起こさないように常に排水処理を行う。

(イ) 河川,砂防工事については,現場の状況により柵工等で土砂流出を防止する。

(4) 港湾・漁港事業

 計画段階

(ア) 埋立工事等では,護岸等を先行するよう計画する。

(イ) しゅんせつ,床掘等で発生する土砂はできる限り埋立に流用し,流用できない土砂は陸上投棄を計画する。

 設計段階

(ア) 床掘,埋立工事等の土砂で海域の汚濁が予想される場合は,汚濁防止フェンス,土のう等を設置する。

 施工段階

(ア) 台風及び季節風時において,波浪による埋立土砂等の流出が予想されるので気象,海象に注意し,安全対策(フェンス等の設置)を行う。

(民間による開発行為に係る対策の方針)

第6条 民間による開発行為の実施にあたっては,施工業者等は,町における公共事業の実施に際しての土砂流出防止対策に準じた対策をとるものとする。

(届出)

第7条 1団1,000平方メートル以上の面積の土地に係る開発行為を行おうとする施工業者等は,工事着手の10日前までに別記様式により町長に届け出なければならない。

(農地等の管理及び耕作に係る対策の方針)

第8条 林地,農地及び宅地の管理にあたっては,次の各号に掲げる対策をとるものとする。

(1) グリーンベルト,階段法面などの適切な管理を行う。

(2) 法下の承水路の整備,集排水路の雑物除去を行う。

(3) 浸食された箇所等は速やかに補修を行う。

(4) 草生水路の整備を行う。

(5) 土砂溜の土上げを行う。

2 農地の耕作にあたっては,次の各号に掲げる対策をとるものとする。

(1) 等高線栽培を行い,土止め,流水の緩和を図る。

(2) 適度な排水を目的としたうね切り栽培を行う。

(3) 輪作及び間混作を実施し,土壌の浸食を防ぐ。

(4) 適度の深さの深耕を行い,雨水の従浸透を促す。

(5) 果樹等の場合,草生栽培,敷草のマルチ栽培を行う。

(6) 新植果樹園の場合は,緑肥栽培を速やかに行う。

(7) ハウス栽培の雨水は,流末処理の溜池を掘る。

(8) 単棟ハウスの場合ハウス間にグリを入れ,雨水の浸透を図る。

(9) 水田は,雨前に排水溝のセキ板を高めにあげる。

(10) 浸食危険期(雨期等)を避けた耕うんを行う。

(指導及び勧告)

第9条 町長は,施工業者等及び住民が第3条及び第4条に規定する責務を怠り,又は第6条及び前条に規定する土砂流出防止対策の方針に反していると認めるときは,当該施工業者等及び住民に対し,土砂流出の発生を防止するために必要な措置を講じるよう指導し,又は勧告することができる。

(土砂流出防止対策推進協議会)

第10条 町は,土砂流出防止対策の円滑な実施に必要な事項を調査し,審議し,及び協議するため,瀬戸内町土砂流出防止対策推進協議会(以下「協議会」という。)を設置する。

2 協議会の組織及び運営に関し必要な事項は,別に定める。

(その他)

第11条 この要綱に定めるもののほか,必要な事項は町長が別に定める。

この要綱は,平成26年12月1日から施行する。

(令和元年7月1日告示第3号)

この要綱は,令和元年8月1日から施行する。

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瀬戸内町土砂流出防止対策要綱

平成26年12月1日 告示第18号

(令和元年8月1日施行)