○瀬戸内町職員の人事評価実施規程
平成27年12月25日
訓令第4号
(趣旨)
第1条 瀬戸内町職員の人事評価は,地方公務員法(昭和25年法律第261号)に定めるもののほか,この規程の定めるところにより実施する。
(定義)
第2条 この規程において「人事評価」とは,職員が職務の分類に応じた能力を発揮しているかを評価すること,その職務の目標に対して業績が達成できたかを評価すること及び評価を踏まえた職員の人材育成についての総合的な判断と,その記録を行うことをいう。
(人事評価の目的)
第3条 瀬戸内町職員人材育成基本方針や施政方針等(以下「基本方針等」という。)に基づく職員の意識改革や目指すべき職員像の具現化を図り,職員の人材育成をとおして,更なる町政発展につなげることを目的とする。
2 公平かつ公正な人事管理を行うことを目的とする。
(人事評価の結果の活用)
第4条 人事評価の結果は,被評価者の任用,給与,分限その他の人事管理の基礎として活用するものとし,次のとおりとする。
(1) 昇格 昇格させようとする日以前の2年の能力評価及び業績評価の全体評語がB以上
(2) 昇給 昇給日以前における直近の能力評価の全体評語で判断
(3) 勤勉手当 基準日以前における直近の業績評価の全体評語で判断
(4) 降給等 職務指導や人材育成等の研修を実施しても能力評価及び業績評価の全体評語が2年以上連続してDの場合
2 評価者は,人事評価の結果を職員の人材育成に積極的に活用するよう努めるものとする。
(被評価者の範囲)
第5条 本規程による人事評価の対象となる職員等(以下「被評価者」という。)は,瀬戸内町の一般職の職員とする。ただし,他の地方公共団体等への派遣,研修,留学その他の事情により本規程による人事評価の実施が困難である職員の評価については,町長が別に定める。
(評価の種類)
第6条 人事評価は,能力評価及び業績評価とする。
(能力評価)
第7条 基本方針等に沿った評価項目に基づき,職制上の段階及び職務の種類に応じて定められた,職務上発揮することが求められる能力を記したものである。
2 能力評価は,職務上とられた行動を基に評価するもので,潜在的な能力や業務に関係ない能力,人格等は評価しない。
3 組織の一員として,共に働く職員への協力や支え合い等の組織力向上に貢献する姿勢及び行動についても評価を行うものとする。
4 評価基準は,別表第1のとおりとする。
(業績評価)
第8条 職員が職務を遂行するに当たり,実際に掲げた目標の達成度を評価するものである。
2 目標達成までのプロセスや質的な到達水準,突発的に対応した業務,研修等についても総合的に勘案した評価を行うものとする。
(1) 能力評価 毎年4月1日から翌年3月31日まで
(2) 業績評価 毎年4月1日から9月30日まで及び10月1日から翌年3月31日まで
(評価者)
第10条 人事評価の一次評価者,二次評価者及び確認者(以下「評価者」という。)は,別表第4のとおりとする。
2 評価者に事故があるとき,評価者とすることが適当でないと認められる場合又は外部施設等においては,その限りではない。
(評価者の役割)
第11条 評価者の役割は,次のとおりとする。
(1) 被評価者に対し,人事評価制度の意義を周知すること。
(2) 主観的な判断基準で評価せず,評価基準等を理解し行動記録等に基づき評価すること。
(3) 職員の日頃の職務行動を把握するとともに,その職責の役割及び目標を個別面談(以下「面談」という。)を通じて共有すること。
(4) 目標や成果の達成は,結果だけではなくそのプロセスや要因を十分に分析し,適切な助言及び指導を面談を通じて共有すること。
(5) 当該職員以外の影響により目標や成果の達成が妨げられている場合,関係する評価者と連携し,業務体制の見直し等も含めた対策を協議し,面談を通じて共有すること。
(6) 面談だけではなく,日頃より十分なコミュニケーションを図り,適確な業務管理を行うこと。
(7) 評価の結果を表示する記号(以下「全体評語」という。)を付すこと。
(評価プロセス)
第12条 人材育成の観点から,関係する評価者と連携し,助言や指導及びその他の適切な措置を行うものとする。
2 一次評価者は,被評価者と面談を行い,一次評価者としての全体評語を付すことにより評価(次項に規定する再評価を含む。)を行うものとする。
3 二次評価者は,一次評価者による評価について,不均衡があるかどうかという観点から審査を行い,二次評価者としての全体評語を付すことにより調整(次項に規定する再調整を含む。)を行うものとする。この場合において,二次評価者は,当該全体評語を付す前に,一次評価者に再評価を行わせることができる。
4 確認者は,二次評価者による調整について審査を行い,適当でないと認める場合には二次評価者に再調整を行わせた上で,能力評価及び業績評価が適当である旨の確認を行い,開示するものとする。
6 二次評価者は,職員を監督する地位にある課長補佐又はこれに相当する職にある者に対して当該職員の評価に必要な事実について報告させることができる。
(評価者研修の実施)
第13条 総務課長は,評価者に対して,評価能力の向上のために必要な研修を適宜実施するものとする。
(人事評価における評語の付与等)
第14条 能力評価に当たっては評価項目ごとに,業績評価に当たっては第8条に規定する目標ごとに,評価することとする。
2 全体評語は,5段階とする。
4 能力評価及び業績評価に当たっては,評価理由その他参考となるべき事項を記載するように努めるものとする。
(業務目標の設定)
第15条 一次評価者は,業績評価の評価期間の開始に際し,被評価者と面談を行い,業務に関する目標を定めることその他の方法により当該被評価者が当該評価期間において果たすべき役割を確定するものとする。
2 目標設定時の基準は,別表第5のとおりとする。
(自己申告)
第16条 一次評価者は,人事評価を行うに際し,その参考とするため,被評価者に対し,あらかじめ,当該人事評価に係る評価期間において当該被評価者の発揮した能力及び挙げた業績に関する被評価者の自らの認識その他評価者による評価の参考となるべき事項について,申告を行わせるものとする。
(職員の異動又は併任への対応)
第17条 人事評価の実施に際し,職員が異動した場合又は職員が併任の場合については,評価の引継その他適切な措置を講じることにより対応するものとする。
2 評価者が評価期間中に異動した場合の対応は,次のとおりとする。
(1) 前任の評価者は,異動前の評価対象職員の評価期間中における職務遂行状況や業務の達成状況等を,後任の評価者へ申し送る。
(2) 前任の評価者は,異動前の評価対象職員の能力評価について,評価期間中の職員の職務行動で,プラス評価又はマイナス評価の材料となる特筆すべき事項がある場合には所見欄に記入する。また,可能な限り全体評語を仮記載する。
(3) 前任の評価者は,異動前の評価対象職員の業績評価の目標ごとの評価期間中の業務遂行状況に関し,把握している事項を所見欄に記入する。また,既に業務が完了している目標については,可能な限り全体評語を仮記載する。
(4) 前任の評価者は,異動前の評価対象職員の業績評価の目標以外で著名な取組があった場合には,所見欄に仮記載する。
(5) 後任の評価者は,職員の異動に伴い業績評価の目標設定等の変更を行う場合は,面談を実施し職員と共有する。
(6) 後任の評価者は,申し送り事項を参考に,異動後に人事評価を行う。
3 被評価者が評価期間中に異動した場合は,異動後の評価期間における業績評価の目標を設定する。ただし,前任者と共有した目標を引き継ぐこともできる。
(人事評価の結果の保管)
第18条 人事評価の結果は,第12条第4項の確認を実施した日の翌日から起算して5年間総務課において保管するものとする。
(苦情への対応)
第19条 人事評価制度を円滑に運用できるよう,第12条第4項の規定に基づき開示された能力評価及び業績評価の結果に関する職員の苦情へ対応するため,苦情相談及び苦情処理の手続を設けるものとする。
2 苦情相談は,職員の申出に基づき,各部局主管課長が対応する。
3 苦情処理は,書面による申告に基づき,総務課長が行う。
4 開示された評価結果に関する苦情処理は,当該評価の評価期間につき,一回に限り受け付けるものとする。
5 苦情処理の申出は,能力評価及び業績評価の結果が開示された日若しくは第2項の苦情相談にかかる結果の教示を受けた日の翌日から起算して1週間以内に限り申し出ることができる。
6 町長は,職員が苦情の申出をしたことを理由に,当該職員に対して不利益な取扱いをしてはならない。
7 苦情相談又は苦情処理に関わった職員は,苦情の申出のあった事実及び当該内容その他苦情相談又は苦情処理に関し職務上知ることができた秘密を保持しなければならない。
(連絡調整会議の設置)
第20条 人事評価制度の円滑な運用や公務能率の向上のために必要な連絡調整を行うため,町長が指名する課長等から構成する連絡調整会議を設けるものとする。
(委任)
第21条 この規程に定めるもののほか,人事評価の実施に関し必要な事項は,町長が別に定める。
附則
(施行期日)
この訓令は,平成28年4月1日から施行する。
附則(令和2年4月1日訓令第14号)
この訓令は,令和2年4月1日から施行する。
附則(令和3年3月18日訓令第6号)
この訓令は,令和3年4月1日から施行する
附則(令和5年3月28日訓令第5号)
この訓令は,公布の日から施行する。
別表第1(第7条関係)
全体評語 | 評語の意味 |
S | 求められる行動全てが確実にとられており,付加価値創出や大幅な業務改善をする等特筆すべき職務遂行状況であり,当該職位として特に優秀な能力発揮状況である。(100点+他への好影響) |
A | 求められる行動が十分にとられ確実に実施できており,当該職位として優秀な能力発揮状況である。(100点) |
B(通常) | 求められる行動がおおむねとられ実施できており,当該職位として求められる能力がおおむね発揮されている状況である。(良>不足 ※良が上回る。) |
C | 求められる行動が一部しかとられておらず,当該職位として十分な能力発揮状況とはいえない。(できた場合もあったが,できないことの方が多いなど,総じて判断すれば,取られていた行動が物足りなかった。良<不足 ※不足が上回る。) |
D | 求められる行動がほとんどとられておらず,当該職位に必要な能力を発揮できていない。(0点) |
別表第2(第8条関係)
全体評語 | 評語の意味 |
S | 今期,当該ポストに求められた水準をはるかに上回る役割を果たした。 |
A | 今期,当該ポストに求められた以上の役割を果たした。 |
B(通常) | 今期,当該ポストに求められた役割をおおむね果たした。 |
C | 今期,当該ポストに求められた役割を一部しか果たせなかった。 |
D | 今期,当該ポストに求められた役割をほとんど果たしていなかった。 |
別表第3(第8条関係)
T1 | 110%超 | 期限よりも10%以上早く期待を上回る内容で目標が達成でき,かつ,職務上の実質的な効果のあったことが確認できた場合 |
T2 | 100%超~110% | 期限内で期待通りの内容で目標が達成でき,かつ,職務上の実質的な効果のあったことが確認できた場合 |
T3 | 95%~100% | 期限内で,ほぼ期待通りの内容で目標が達成できた場合 |
T4 | 80%~95%未満 | 期限内であっても期待を下回る内容であった場合,又は期限内よりも10%以上遅れた場合 |
T5 | 80%未満 | 期限内であっても期待を相当下回る内容であった場合,又は期限よりも20%以上遅れた場合(未着手を含む) |
別表第4(第10条関係)
被評価者 | 一次評価者 | 二次評価者 | 確認者 |
係員 | 係長 | 課長 | 副町長 |
係長・課長補佐 | 課長 | 副町長 | 町長 |
課長 | 副町長 | 町長 | 町長 |
別表第5(第15条関係)
a 「躍進」 | →従来より目覚ましい改善が図れるような目標。 |
b 「前進」 | →従来より改善が図られるような目標。 |
c 「維持」 | →新規採用,異動等により改善点が見い出せない場合等の目標。 |
1 期待以上 | →当該ポスト(職位)に求められる水準以上 |
2 期待通り・未経験 | →当該ポスト(職位)に求められる水準かつ未経験 |
3 期待通り・既経験 | →当該ポスト(職位)に求められる水準かつ既経験 |
4 期待以下・未経験 | →当該ポスト(職位)に求められる水準かつ未経験 |
5 期待以下・既経験 | →当該ポスト(職位)に求められる水準かつ既経験 |
※業務遂行と目標は異なることを十分に理解し,設定する。業務遂行は各自に課せられた使命や役割であって,目標ではない。 |