○認知症初期集中支援推進事業実施要綱
平成28年12月1日
告示第11号
(趣旨)
第1条 この要綱は,認知症になっても本人の意思が尊重され,できる限り住み慣れた地域の環境で暮らし続けられるために,認知症の者並びにその家族に対し,早期に関わる認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)を配置し,早期診断・早期対応に向けた支援体制を構築する事業(以下「事業」という。)を実施することについて必要な事項を定めたものとする。
(実施主体)
第2条 事業の実施主体は,瀬戸内町とする。ただし,瀬戸内町長は,事業の一部について,地域包括支援センター,認知症疾患医療センターを含む病院,診療所等の適切な事業運営が確保できると認められる団体等に委託することができる。
(訪問支援対象者)
第3条 事業における訪問支援の対象者は,原則として40歳以上で在宅で生活しており,かつ認知症が疑われる者又は認知症の者であって,次のいずれかに該当する者(以下「訪問対象者」という。)とする。
(1) 医療サービス又は介護サービスを受けていない者又は中断している者で次のいずれかに該当する者
ア 認知症疾患の臨床診断を受けていない者
イ 継続的な医療サービスを受けていない者
ウ 適切な介護サービスに結び付けていない者
エ 介護サービスが中断している者
(2) 医療サービス又は介護サービスを受けているが,認知症の行動及び心理症状が顕著なため家族等が対応に苦慮している者
(実施体制)
第4条 町長は,地域包括支援センターに支援チームを配置するものとする。
支援チームは,認知症に係る専門的な知識及び技能を有する医師の指導の下,複数の専門家が家族の訴え等により訪問支援対象者及びその家族の初期の支援を包括的及び集中的に行うことにより,自立生活のサポートを行うものとする。
(チーム員構成)
第5条 認知症初期集中支援チーム員の構成
認知症初期集中支援チーム員(以下「チーム員」という。)は,次の要件を満たす専門職2名以上及び専門医1名以上による3名以上のチーム員で構成し,町長が委嘱し,又は任命する。
(1) 専門職は,以下の要件を満たす者2名以上とする。
「保健師,看護師,准看護師,作業療法士,歯科衛生士,精神保健福祉士,社会福祉士,介護福祉士」等の医療保健福祉に関する国家資格を有する者。認知症ケアや在宅ケアの実務・相談業務等に3年以上携わった経験がある者。
また,チーム員は国が別途定める「認知症初期集中支援チーム員研修」を受講し,試験に合格した者(以下「研修受講者」という。)ただし,研修受講者であるチーム員と当該研修の受講内容を支援チーム内で共有する者の支援チームへの参加も可能とする。
(2) 専門医は,日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師であって,今後5年間で認知症サポータ医研修を受講する予定のあるもの・認知症サポート医であって,認知症疾患の診断・治療に5年以上従事した経験を有するもの(認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図っている場合に限る。)
(チーム員の役割)
第6条 専門職は,訪問支援対象者の認知症の包括的観察・評価に基づく初期集中支援を行うために訪問支援対象者及びその家族(以下「対象支援訪問者等」という。)に対して訪問活動を行うものとする。専門医は,認知症に関して専門的見識から他のチーム員に指導,助言等を行い,必要に応じて他のチーム員とともに訪問支援対象者等を訪問し相談に応需するものとする。訪問対象者等の初回の観察・評価の訪問(以下「初回訪問」という。)は,原則として2名以上のチーム員で行うものとする。
(初回訪問時の支援等)
第7条 支援チームは,チーム員が初回訪問をする際,訪問支援対象者に対し,次に掲げる支援を行うものとする。
(1) 認知症の包括的な観察及び評価
(2) 基本的な認知症に関する正しい情報の提供
(3) 専門的医療機関への受診及び介護保険サービスの利用の効果に関する説明
(4) 訪問支援対象者等に対する心理的サポート及び助言等
支援チームは,訪問支援対象者等及びあらかじめ協力の得られる者が同席できるよう調整を行い当該訪問支援対象者の現病歴,既往歴,生活情報,家族の状況等の情報を収集するものとする。
(支援事業内容)
第8条 支援チームは,次に掲げる業務を行うものとする。
(1) 支援チームの役割や機能についての広報活動に関すること。
(2) 次に掲げる認知症初期集中支援の実施
・訪問支援対象者の把握
・情報収集及び観察・評価
・初回訪問
・専門医を含めた支援チーム員会議
・初期集中支援の実施
・初期集中支援の終了とその後のモニタリング
(3) 認知症初期集中支援チーム検討委員会への報告
(支援チーム員会議)
第9条 支援チーム員会議は,訪問支援対象者へ医療機関・介護サービスが円滑に導入されることを目的とし,支援の方向性を決定する。
(認知症初期集中支援チーム検討委員会の設置)
第10条 町は,支援事業の実施に際し,医療・保健・福祉に携わる関係者等から構成される認知症初期集中支援チーム検討委員会(以下この条において「検討会」という。)設置する。
検討委員会は,支援チームの設置及び活動状況を検討する。
(個人情報の保護)
第11条 チーム員は,本事業より知り得た訪問支援対象者等の個人情報について,その適切な管理に努めなければならない。その職を退いた後も,同様とする。
(その他)
第12条 この要綱に定めるもののほか,支援事業の円滑な運営に必要な事項は町長が別に定めるものとする。
附則
この要綱は,公布の日から施行する。