○瀬戸内町有林野管理条例

昭和32年12月28日

条例第53号

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は町の所有に属する森林及び原野(以下「町有林野」という。)の管理について必要なことを定め町有林野の保続培養と生産力の増進を図り,もって町民の福祉と町経済の発展に資することを目的とする。

(境界検視)

第2条 町長は年1回町有林野の境界を検視しなければならない。

(境界標の設置)

第3条 町長は町有林野の境界標を設置しなければならない。

(境界の確定)

第4条 町長は町有林野の境界が明らかでないときは,隣接所有者に対し立会場所,立会の期日その他必要な事項を通知し,境界を確定するための協議を行うものとする。この場合町長は,隣接所有者以外のものに意見をのべさせることができる。

2 前項の通知は少くとも協議を行う日の10日前までに隣接所有者に通知しなければならない。

3 第1項の協議がととのった場合は,町長及び隣接所有者は関係書を保存しなければならない。

(境界の告示)

第5条 町長は境界が明らかでなかった町有林野の境界が決定した場合は,その旨を町掲示板に告示しなければならない。

(植伐)

第6条 町有林野の植伐は,第2章に定める経営案に従って行うものとする。

(管理区分)

第7条 町有林野はその管理経営上次の4種に区分する。

(1) 直営林

(2) 分収林

(3) 経営委託林

(4) 貸付林

第2章 経営

第1節 直営林

(経営案の編成及び検討)

第8条 町長は直営林について経営案を編成し5年ごとにこれを検討しなければならない。

(経営案編成の原則)

第9条 経営案は次に掲げる原則にしたがって編成しなければならない。

(1) 未立木地,伐採跡地に対する人工造林の励行による生産力の増強

(2) 林種転換による生産力の増強

(3) 森林の開発利用による林産物の生産増強

(経営案に定める事項)

第10条 経営案は,県知事の定めた森林計画及び公有林経営計画の作成と実施要領にもとづきこれを定める。

第2節 分収林

第11条 この条例で分収林というのは,町有林野を造林希望者に貸付し造林を行わしめその収益を町と分収するものをいう。

2 町が林野を借受け,これに造林を行いその収益を土地所有者と分収するものをいう。

(分収林の設定)

第12条 町長は次の各号の一に該当するものと分収林設定の契約をすることができる。

(1) 部落,学校,青年団,壮年団及びその他の団体

(2) 当該林野と密接な関係を有するもの

(3) その他町長が適当と認めたもの

(造林の申請)

第13条 分収林契約を締結しようとするものは申請書に位置図,実測図(又は見取図)及び造林計画書を添えて町長に提出しなければならない。

(分収林の存続期間)

第14条 分収林の存続期間は,一伐期とする。ただし40年を越えることはできない。

(契約事項)

第15条 分収林の契約には次の事項を定めなければならない。

(1) 分収林の所在及び面積

(2) 契約の目的

(3) 当該契約の存続期間

(4) 収益の分収割合

(5) 植栽すべき樹種,本数

(6) 植栽の予定期日

(7) 伐採予定期間

(8) その他必要な事項

(分収林の目的外の使用禁止)

第16条 造林者は分収林契約の目的以外の目的に分収林を使用してはならない。ただし分収林契約の目的をさまたげないと認めて町長が許可した場合はこの限りでない。

(施業経費)

第17条 分収林の施業及び保護に要する経費はすべて造林者の負担とする。

(植栽樹種)

第18条 植栽する樹種は,スギ,ヒノキ,リュウキュウマツ,イジュの4種とする。ただし町長の承認を得てこれ以外の樹種を植栽することができる。

(分収割合)

第19条 分収林の分収割合は1町9民乃至4町6民以内で土地の良否樹種,地利,その他を勘案して町長が定めるものとする。

(分収の方法)

第20条 分収の方法は,下記のうち造林者の希望で定める。

(1) 材積を調査し立木のままで分割する。

(2) 競争入札で全林の立木を売却してその代金を分配すること。ただし入札は,造林者を立会わして町役場で行う。

(3) 造林者の自家用に供する目的の立木は造林者に特売することができる。

この場合の価格の算定は,市場逆算法により町長が定める。

(分収林内の樹木の処分)

第21条 この条例にもとづいて植栽した樹木は,町と造林者の共有としその持分は契約に定めた分収歩合によるものとする。

2 分収林契約があった後において天然に生じた樹木であって,分収林と共に生育させるものと町長が指定したものは部分木とみなす。

(間伐木の処分)

第22条 分収林の間伐が必要であるときは,町長に届出で実地の検査を受けなければならない。

2 検査を受けて伐採した樹木は,造林者に無償で交付する。この場合の伐採に要した経費は造林者の負担とする。ただし植栽してから15年以後に間伐した樹木は第19条及び第20条を適用する。

(森林の保存)

第23条 公益上必要な場合又は町で森林保護保存の必要があるときは町議会の議決を経て相当代価で造林者の分収する立木の全部又は一部を買受けることがある。この場合造林者はこれを拒むことはできない。

(造林者の義務)

第24条 造林者は次の事項を行わなければならない。

(1) 火災の予防及消防

(2) 盗伐,誤伐,その他,加害行為の予防及び防止

(3) 森林害虫及び有害動物の駆除並びに防止

(4) 境界標その他標識類の保存

(5) 新植(5年間)の手入れ

(分収林内の林産物の採取)

第25条 造林者は,分収林において次の林産物を採取することができる。

(1) 下草,樹実,きのこ類

(2) 手入れのために伐除する枝条

(3) 分収林契約後生じた樹木(第21条第2項に定めたものを除く。)

(造林者の届出事項)

第26条 造林者は,次の各号の一に該当するときは,直ちに町長に届出をしなければならない。

(1) 住所及氏名を変更したとき

(2) 造林に着手したとき

(3) 造林を終了したとき

(4) 部分木に異動を生じたとき

(分収林契約の解除)

第27条 町長は次の各号の一に該当する場合は分収林契約を解除することができる。この場合造林者は既存の立木の分収権を失うものとする。

(1) 当該契約に定められた植栽期間の始期から1年を経過しても造林者が造林に着手しないとき。

(2) 当該契約に定められた植栽期間が満了しても造林者が造林を完了していないとき。

(3) 造林を終った後5ケ年を経過しても成林の見込がないとき。

(4) 造林者が当該契約に定められた植栽手入れ又は,伐採の方法に従わなかったとき。

(5) 造林者が第16条の規定に違反したとき。

(6) その他造林者が当該契約に違反したとき。

2 町長は分収林を公用,公共用又は公益事業の用に供する必要が生じたときは分収林の全部又は一部を解除することができる。この場合の分収方法はその都度両者協議の上定めるものとする。

3 町長は第1項又は前項により分収林を解除しようとするときは,造林者に対しあらかじめ理由を付してその旨を通知しなければならない。

(損害の賠償)

第28条 この条例にもとづいた処分で造林者が損害を蒙ることがあっても町は,損害賠償の責任は負はないものとする。

第3節 経営委託林

(経営委託林)

第29条 この条例で経営委託林というのは,町有林野を国又は県に経営を委託しその収益を町と分収するものをいう。

(官行造林,公団造林)

第30条 官行造林地は公有林野等官行造林法(大正9年法律第7号)により経営する。

2 公団造林は森林開発公団法(昭和31年法律第85号)及び分収造林特別措置法(昭和33年法律第57号)により経営する。

(県行造林)

第31条 県行造林地は,公有林野,県行造林並びに大島郡災害救済備林造成,県条例により経営する。

(経営委託林の存続期間)

第32条 経営委託林の存続期間は,第14条を適用する。

第4節 貸付林

(貸付林)

第33条 この条例で,貸付林というのは,直営林,分収林,経営委託林以外の町有林野をいう。

(貸付林の設定)

第34条 町長は次の各号の一に該当する場合は,議会の議決を経て町有林野を貸付又は使用させることができる。

(1) 公用及び公益事業のため必要があると認めるとき。

(2) 地元部落民に密接な関係のある町有林野

(3) 採草(カヤ)のため必要があると認めるとき。

(4) 町の公共的施策に密接な関係をもつ施設をともなう事業と町長が認めるとき。

2 前項の場合の貸付料及び使用料は,管理費,地況,林況,土地の便否その他を斟酌して実測面積1反歩につき年3円以内とする。

第35条 貸付林を受けようとするものは,貸付願を町長に提出するものとする。

2 前条第1項第2号については,地元部落単位に貸付願を差出すものとする。

(貸付林の立木売却)

第36条 貸付林の全部又は一部の立木を売却しようとする場合は,立木売却届を少なくとも15日前までに提出しその指示を受けるものとする。

2 貸付林の全部又は一部の立木を売却した場合は,その価格を町と分収するものとする。その場合の分収歩合は3町7民とする。

(分収林の転換)

第37条 貸付林の全部又は一部に人工造林を行った場合は,貸付林を取消し第2章第2節の規定を準用する。

(借受人等の義務)

第38条 貸付林にありては第24条第1項第1号から第4号の規定を準用する。

(貸付林内の林産物の採取)

第39条 借受人は,貸付林において次の林産物を採取することができる。

(1) 自家用用材,薪炭材

(2) 下草,樹実,きのこ類

(3) 椎茸栽培の為の原木

(貸付林の返還)

第40条 公用,公益上又は町の事業運営上必要な場合は,貸付林の一部又は全部の返還を求めることができる。

第3章 保護

(看守人)

第41条 町長は町有林野の管理上必要があると認めるときは,看守人若干名を置く。

(禁止行為)

第42条 町有林野において町長の許可を得ずに次に掲げる行為をしてはならない。

(1) 焚火をし,又は炬火を携帯すること。

(2) 立木を損傷すること。

(3) 放牧すること。

(4) 土石を採取すること。

(5) 治水上及び営林上障害となる行為

(損害賠償の請求)

第43条 町長は町有林野に損害を与えたものに対しては,正当な損害賠償を請求しなければならない。

(被害の通知義務)

第44条 看守人は町有林野に火災,盗伐,誤伐,侵墾,侵用,その他の被害を発見したときは,直ちに町長に報告すると共に適宜の処置をしなければならない。

第4章 産物の調査

第1節 産物の調査

(伐採箇所の測量及び調査)

第45条 立木を皆伐しようとするときは,測量及び調査を行い次に掲げる書類を作成しなければならない。

(1) 位置図

(2) 実測図及び測量野帳

(3) 毎木調査野帳又は標準地調査野帳

(4) 単価評定書

2 前項の規定は立木を間伐又は択伐しようとするときに準用する。この場合においては実測図を省略することができる。

(副産物の調査)

第46条 副産物の調査は慣行による。

(極印)

第47条 伐採しようとする立木には,伐採面より下部に極印を打記しなければならない。

2 皆伐しようとする立木については,前項の規定にかかわらず,伐採される区域周辺木にのみ極印を打記することができる。

(評価)

第48条 立木の評価は,原則として市場逆算法による。

第2節 産物の処分及び契約

(売却及び契約)

第49条 立木の売却及び契約の手続等については瀬戸内町財務規則(昭和41年瀬戸内町規則第10号)第6章の規定による。

(跡地検査)

第50条 契約者は産物の搬出を完了したときは,遅滞なくその旨を町長に通知しなければならない。

2 町長は前項の通知を受けたときは,直に跡地検査を行はなければならない。

(その他)

第51条 この条例に定めるものの外,町長は細則を定め又は監督上必要な命令をなすことができる。

1 この条例は,公布の日から施行する。ただし従前の条例で契約した分収林については,本条例で契約したものとみなし町有林野に植栽してある個人竹林は貸付林とみなす。

2 古仁屋町(古仁屋町を瀬戸内町と読み替える)部分林条例(昭和30年7月9日条例第32号)この条例の施行の日から廃止する。

3 公有林整備事業によりあらたに貸付林より直営林に編入した地域内の立木は,編入した日を含む年度より5ケ年間内に於て売却する場合は,その収入を部落と分収するものとする。この場合の分収は3町7民とする。

4 貸付林より編入された経営委託林の立木を処分した場合の町の収益金の内,経営委託林の所在する部落へ管理費として10分の3以内を交付することができる。

5 前項の規定は,昭和34年1月6日から適用する。

6 貸付林より編入された経営委託林のうち,公団造林については,その立木を処分した場合,公団造林の所在する部落へ管理費として総収益金の20%以内を交付することができる。

(昭和33年8月17日条例第10号)

この条例は,公布の日から施行する。

(昭和34年5月6日条例第21号)

この条例は,公布の日から施行する。

(昭和35年6月30日条例第10号)

この条例は,公布の日から施行する。

(昭和36年7月10日条例第17号)

この条例は,公布の日から施行する。

(昭和44年4月10日条例第17号)

この条例は,公布の日から施行する。

(昭和45年4月1日条例第13号)

この条例は,公布の日から施行する。

(昭和45年8月10日条例第26号)

この条例は,公布の日から施行し,昭和45年4月1日から適用する。

瀬戸内町有林野管理条例

昭和32年12月28日 条例第53号

(昭和45年8月10日施行)

体系情報
第9類 業/第2章 農林・水産
沿革情報
昭和32年12月28日 条例第53号
昭和33年8月17日 条例第10号
昭和34年5月6日 条例第21号
昭和35年6月30日 条例第10号
昭和36年7月10日 条例第17号
昭和44年4月10日 条例第17号
昭和45年4月1日 条例第13号
昭和45年8月10日 条例第26号